今日はだいぶマニアックなお話( ´艸`)
麹作りでは、全ての手入れを終えてから出麹(完成)までの12時間がその後の味を大きく左右する重要なフェーズとなります。
というのは
この時の麹の温度帯によってできる酵素の種類と量で、その麹の味が決まるからです。
42度前後の高温帯を維持するとアミラーゼが優位に。
38度前後の低温帯を維持するとプロテアーゼが優位に。
高温帯、低温帯どちらも通過していると、どちらの酵素もバランスよく生成されます。
この事を知っていると、味噌やお酒、甘酒、塩麹など製麹後の使い道によってそれに合った麹を作ることができます。
これこそが自分で麹を作る最大のメリット!!!!
私はいつも塩麹など調味料に使うことが多いので、アミラーゼとプロテアーゼがバランスよく作られる事を意識して温度を設定しているのですが(…つもり…)、ちょっとね・・・またね・・・実験したくなってしまって( ´艸`)
42度を12時間キープで製麹してみました!
温度管理がなかなか大変でしたが
でも奇跡的に?見事に42度キープ!(笑)
そしてできた麹は酵素の出来具合を甘酒にしてチェックします。
ほらみてー♡
アミラーゼいっぱい~ ٩( ''ω'' )و
さて。肝心の甘酒の味ですが、
驚くほどすっきりでした。米臭さなし。
さらりとしていてとても飲みやすい。
出麹まで42度前後の高温で引っ張ると、100種類以上のタンパク質や脂質分解酵素が豊富にでき、さらりとして雑味のないすっきりした味にしあがるそうです。
雑味が出ないのでお酒造りに行われる方法。
アミラーゼは甘みを作る酵素のはずなのに、さらりとしたスッキリした味わいってどういう事なんだろう?と興味本位で実験してみた結果・・・
アミラーゼ優位の麹から作る甘酒はすっきりと上品な甘さでした。
甘さが強く前面に出てくる事なくとても美味しくて飲みやすい!
これが本来の「甘さ」なんだ・・・。
試しに今回できた麹を塩麹にしてみると
これもすっきり・あっさりした味に。
プロテアーゼ量が少ないからなのかやはり少し「旨味」が足りない印象。
塩味だけを加えたい時にはいいけれど
煮物に加えるとやはり少しものたりないかなという感じです。
「プロテアーゼ」の大切さを実感( ´艸`)
お酒造りの過程では雑味になってしまう旨味成分は
塩麹ではとても重要。
頭ではわかっていたけど、それを確かめる事ができてなかなか意義ある実験でした。
作る目的に合わせて麹の成分をコントロールする
こんなことがキッチンでできるとは。